【4%ルール】FIREに必要なお金は生活費の25年分【全て貯める必要はなし】

こんにちは、モリタ(夫)です。

近年、欧米を中心にF.I.R.E(Financial Independence, Retire Early)ムーブメントが話題となっています。

まだ体が元気な若い時に仕事を辞め、自分の好きなことをして過ごす生活。FIREとはなんとも甘い香りがする言葉ですね。

 

実際FIREするためには、一体いくらのお金があれば可能なのでしょうか。

FIREに必要なお金について、ひとつの目安は、年間生活費の25年分と言われています。

なぜ25年分の生活費があればFIREが可能と言われているかというと、4%ルールという考え方があるからです。

4%ルールとは、年間の生活費を資産の4%で賄うと、元本を毀損せず半永久的にFIRE生活を送ることができるという理論です。

 

ちなみに、4%とはS&P500の過去平均リターン(7%)から米国のインフレ率(3%)を差し引いた数字ですが、日本のインフレ率(0〜1%)に当てはめると「6%ルール」に置き換えることが可能です。

詳細は後述しますが、日本でFIREするためには年間生活費の17年分があれば実現できる計算です。

 

もっと言えば、完全にフルリタイアを目指すのではなく、セミリタイアにすればもっと少ない金額でFIREができてしまいます。

FIRE後の生活を資産収入だけで全て賄うのではなく、「足りない分は最低限の労働で補えばOK」という考え方を「サイドFIRE」と呼びます。

本日は4%ルールという考え方と、その弱点、またFIREを目指すための具体的なステップをわが家で取り組んでいる方法を例に取りながらご紹介します。

みんなでF.I.R.Eを目指して頑張りましょう!

FIREに必要な資金は生活費の25年分【4%ルール】

生活費の25年分があればFIRE可能

「FIREしたい!!」

でも一体いくらお金があれば一生暮らしていくことができるのでしょうか。

FIREに必要なお金について、ひとつの目安は、年間生活費の25年分と言われています。

なぜ25年分の生活費があればFIREが可能と言われているかというと、4%ルールという考え方があるからです。

FIRE後の生活費の目安は、金融資産の4%(年間)

「4%ルール」とは、年間支出の25倍の資産を築けば、運用益のみで生活費をまかなえるという考え方です。

年間支出が仮に300万円なら、7,500万円の資産を築いて年利4%で運用すれば、理論上は資産を維持したまま生活できるという理論です。

4%という数字は、米国S&P500の平均成長率7%から、アメリカのインフレ率3%を差し引いて算出された数値です。

米国S&P500株は対象銘柄が多いことから市場全体の動きを把握する時によく参考にされている指標で、過去20年間の平均リターンは年利8%です。

FIREの目安となる4%ルールの計算式

  • S&P500の期待利回り(年利):7%
  • 年間インフレ率:3%
  • 年間生活費:4%  ※計算式は利回り(7%) ー インフレ率(3%)

4%ルールの弱点

4%ルールは株価の成長率と国のインフレ率を考慮されて導き出されてた理論値です。

もちろん株価は過去と同じように成長していくとは限りませんし、近年の金融緩和によりインフレ率が想定以上に高まるリスクがあります。

また、S&P500連動インデックスファンドやETFよりもハイリスクな金融商品(個別株など)に投資している場合は、市場平均ほど高い成績が出せず資産が目減りしていく可能性もあります。

FIREにあたり「生活費の25年分があれば絶対大丈夫」という考え方ではなく、あくまで流動的な数字という前提でリスクも考慮しておきましょう。

お金が足りなくなったら、「最低限働いて賄えばいい」くらいの覚悟をしておくとよいでしょう。

日本なら6%ルール(年間支出の17倍)でFIRE可能?!

日本のインフレ率は、目標を2%と設定しながらも、思うように上昇せず1%に満たない状況が続いています。

つまり「4%ルール」を日本版に置き換えるなら、アメリカほどインフレ率を考慮する必要がないため、「5%ルール」もしくは「6%ルール」とすることが可能です。

例えば年間の生活費が300万円とすれば、5,000万円あれば6%の運用益で生活が可能です。

4%ルールでは生活費の25年分の資産が必要でしたが、日本版の「6%ルール」であれば17年分で足りることになります。

すなわち、日本で生活しながらS&P500に投資して年利7%の運用益が期待できるとすれば、「年間支出の17倍の資産」を築けば、FIREができるという計算になります。

現金だけでなく株・ETFなどで金融資産を保有する

FIREに必要な4%ルールとは、株・ETF・投資信託・債権などのリスク資産を保有している前提で、その元本を毀損せずに運用できるという理論値です。

もちろん現金だけで全資産を保有していれば、毎年の生活費で資産は単純に目減りしていきます。(銀行の年利は0.01〜0.1%)

資産収入で生活するためには、S&P500連動のインデックスファンドやETFでFIREに必要な資産を保有していることがひとつの目安になります。

もちろんS&P500よりもリターンが期待できる商品に投資してもいいのですが、プロも含めたほとんどの投資家はS&P500の市場平均を上回ることが難しいとされています。

投資をしている人からしたら、年間7%という成長率がいかに高い数値かご存知の通りです。

心配な場合は安全に3%くらいで考える

以上のリスクを前提に、わが家の場合は4%ではなく、安全に3%ルールで目標を設定しています。

詳細は後述しますが、わが家の場合、子どもが成人すれば300万円もあれば生活が可能と試算しています。

そのため300万円の3%ルールなので、金融資産の目標は1億円にしています。

※子どもの学費などのライフプラン出費は別途用意が必要

私も妻も慎重派なので、安心して確実に生活できる目標金額に設定しています。

目指せFIRE!!まずは必要な生活費を算出しよう

固定費と変動費で分けて算出しよう

FIREに必要な金融資産は、年間生活費の25年分が必要ということがわかりました。

当然ですが、まずは年間の生活費を正しく把握することが大切です。

わが家の場合は、家計簿にて月次で支出をまとめています。

生活費の棚卸しをするにあたって参考になると思いますので、簡単に中身をみていきましょう。

>>>家計簿の詳しい記事はこちらから【家計管理】

わが家(夫婦と娘2歳)の生活費は年間360万円

わが家は、共働きサラリーマンと2歳の娘がいる普通の3人家族です。

そんなモリタ家の予算は月に約30万円、年間360万円です。

モリタ家の家族構成

わが家の基礎情報
家族構成 3人家族(夫・妻とも30代半ば、娘は2歳の保育園児)
仕事 夫・婦ともフルタイムのサラリーマン
住んでいるところ 福岡市内(2019年に東京都内から移住)
住居 3LDK賃貸(一部家賃補助あり)
なし
保険 火災保険

 

こちらは実際に月次で集計しているわが家の家計簿です。

住居費は会社からの家賃補助があり安くなっていますが、将来的にはこれがなくなりますのでもう少し生活費が上がる予定です。

逆に子どもが成人すれば、教育費や住居費を減らすことができるので、年間300万円もあれば生活が可能になる計算です。

モリタ家の家計簿(2020年7月実績)※クリックで拡大できます

必要な生活費は各家庭で算出しよう

わが家の生活費は年間360万円ですが、家庭によって必要な生活費は変わってくると思います。

例えば、わが家は車を保有していませんので、駐車場や保険やガソリン代などの支出がありません。

保育料が月額64,000円と家計を圧迫する原因になっているのですが、あと2年すれば保育料無償化の対象年齢になりますので、貯蓄率が上がる予定です。

このように細かい支出は家庭によって全然違ってきますので、各家庭に合わせて必要な金額を算出することが大事です。

完全リタイアか、セミリタイアか【サイドFIRE】

FIRE後の生活で、全く仕事をしない「完全リタイア」か、生活費の足しになる最低限の仕事をする「セミリタイア」かによっても、必要な資金が変わってきます。

人生は何があるかわからないので、選択肢の多い「セミリタイア」が推奨されることが多いです。

基礎生活費を資産収入と最低限の労働収入で賄える

セミリタイアかフルリタイアを考える時に、生活費をより詳細に棚卸しすることが必要となります。

基礎生活費を全て資産収入で賄おうと思うと、資産形成に時間がかかってしまいます。

リタイアの達成基準
  • セミリタイア:基礎生活費を資産収入と最低限の労働収入で賄うことが可能
  • フルリタイア:基礎生活費を資産収入だけで賄うことが可能
  • 経済的自由 :基礎生活費とゆとり費を資産収入だけで賄うことが可能

家計の内訳詳細

種別 説明
基礎生活費(月間予算) 生きていく上で絶対必要な生活費 家のローン、家賃、水道光熱費、食費、日用品、子どもの学費・塾・保育料、ペットのエサ
基礎生活費(年間予算) 毎月の出費ではないが最低限必要な生活費 家具、家電、医療費、保険、最低限の洋服代
ゆとり費(月間予算) 毎月支払いが必要な贅沢費 車関係(ローン、燃料、駐車場、保険など)、ネットのサブスクリプション、交際費、趣味費、美容院代、必要以上の保険料
ゆとり費(年間予算) 豊かさを感じるもの 旅行、プレゼント、贅沢な服飾品(服・カバン・アクセサリーなど)、結婚式の参列

ライフプランにかかる費用は別で考慮する

生活費とは別に、ライフプランにかかる費用もチェックしておく必要があります。

このライフプランで必要な費用は、FIREの生活費とは別で用意しておくことが無難です。

FIREを優先するのであれば、華美な結婚式や住宅購入費を諦めるというのも現実的な選択肢じゃないかと思います。

もちろん結婚式をやりたい人、住宅を購入したい人は一度きりの人生なので後悔のない選択するべきです。

主なライフプランにかかる費用の目安

  • 就職活動費:約14万円
  • 結婚費用:約467万円
  • 出産費用:約51万円
  • 教育資金(私立の中学校・大学・大学院など):約1,049万円
  • 住宅購入費:約4,350万円
  • 老後の生活費:約26万円
  • 介護費用:約17万円

出典:日本FP協会「主なライフプランにかかる費用の目安

FIREに向けてのステップ。目標資産達成に向けて見直すべきこと【実例を交えて紹介】

家計を把握する

まず最初に家計を把握して、年間に必要な生活費がいくらかを知る必要があります。

家計把握には、鉄板ですが、マネーフォワードMEがおすすめです。

クレジットカードをはじめとしたキャッシュレス決済を利用することにより、自動的に家計簿にまとめてくれます。

銀行口座や証券口座を紐づけることにより、収入や資産運用もひと目で把握できるようになります。

わが家の月次で公開している家計簿も、マネーフォワードで勝手に反映されるデータをもとに算出しています。

ちなみにマネーフォワードMEは無償版で十分です。

マネーフォワードME

資産のポートフォリオ

固定費の削減をして貯蓄率を上げる

家計の改善において、最も効果的なのは固定費の見直しから始めることです。

固定費の見直しは、最初は変える面倒が発生しますが、その最初だけ頑張ればあとは半永久的に効果を継続してくれます。

固定費は生活費の鍵を握る重要な支出です。

生活費を少なくすることによりばFIREの難易度が劇的に下がりますので、FIREを目指すなら徹底的に固定費を見直しましょう。

下記は代表的な固定費の見直しポイントです。

固定費カットのポイント

  • 住居費:家賃の安い家に引っ越す・更新時に家賃交渉する
  • 光熱費:電力・ガス自由化で参入した会社に乗り換える
  • 通信費:格安SIMにする
  • 保険料:不要な保険を解約する
  • 車  :車を所有せずレンタカーやシェアカーを活用する

目標投資額を決め、投資シュミレーションをする

目標の資産額を算出する

必要な生活費が算出できたら、それに必要な資産を計算します。

必要な資産を求める公式は4%ルールを利用します。

例えば、一人暮らしで年間の生活費が200万円必要であれば、5,000万円の資産が必要です。

年間200万円の生活費の人に必要な金融資産(4%ルール)

  • 200万円×25年分=5,000万円

目標までの投資シュミレーションをする

年間200万円の生活費で過ごす人の場合、5,000万円の資産があればFIREが可能ということがわかりました。

次に5,000万円を貯めるまでの投資シュミレーションをします。

下記は楽天証券の投資シュミレーターを利用しています。

例えば、現在30歳の方が55歳までにフルリタイアをしようとする場合、毎月6万2,000円の積立をリターン(複利)7%で運用すれば達成できます。

楽天証券のシュミレーター

 

セミリタイア「サイドFIRE」であればもっと早くFIRE可能

毎月6万2,000円の積立投資をして25年もかかると思うと、かなり先が長く感じます。

そこでフルリタイアだけでなくセミリタイア(サイドFIRE)も検討してみましょう

例えば、3,000万円でセミリタイアした場合、年間の基礎生活費は120万円になります。

足りない80万円をバイトなどで稼げばいいのです。

月給7万円だけ稼げればいいので、かなり気持ちが楽になります。

3,000万円であれば、さきほど同じ毎月6万2,000円の積立投資をすれば19年3ヶ月で達成することが可能です。

NISAなどの税制優遇制度を利用して投資をする【節税】

投資はNISA(つみたて・一般)やiDecoといった税制が優遇される制度を利用しましょう。

iDecoは原則60歳にならないと引き出すことができませんので、早めにFIREを目指す人はNISAを積極的に利用しましょう。

また、投資は長期の積立投資を基本戦略とします。

投資対象は低い手数料で分散投資ができるS&P500や全米株式や先進国株式に連動したインデックスファンドが人気です。

投資の基本戦略

  • 投資はNISA(一般・つみたて)やiDecoといった節税できる制度を活用
  • 15年以上の長期積立投資を基本戦略とする
  • 低い手数料で分散投資できるインデックスファンドを活用する
  • 相場に流されて売り買いをしない

※投資は自己責任でやりましょう

収入をアップする

当たり前ですが、FIREは収入が多い人の方が絶対的に有利です。

生活費や固定費の削減には限界がありますし、投資に回すお金も収入がなければ生み出すことができません。

1番いいのは、働いている期間の収入を少しでも高くすることです。

まだ若くて職業を選択することができる人は、市場ボリュームの大きい市場に転職することも一つの手です。

実際に私は、20代後半の時に、作業療法士という医療職からITのエンジニアにキャリアチェンジして年収を上げました。

まとめ:FIREを目指すわが家の家計と資産運用実績を公開しています

今回は最近話題のFIREについてまとめました。

完全FIREを目指そうと思うと、25年分の生活費を貯めなければならないのでなかなかハードルが高くなってしまいます。

そこでサイドFIREという柔軟なセミリタイアのスタイルも検討の余地があると思います。

資産収入だけで生活することは難しいですが、足りない分だけ最低限の労働収入で生活すればいいので、わざわざブラック企業で働く必要はなくなります。

FIREに大事なことは、時代に合わせて柔軟に適応できる力なんじゃないかなと私は考えています。

目標が高すぎるとやる気を継続することが難しくなりますしね。

慌てずみんなで頑張っていきましょう!!

 

この記事でご紹介したわが家の家計簿と投資実績のブログは月次で公開しています。

ちなみにわが家の目標は、1億円の金融資産を形成してFIREすることです。

FIREに向けて取り組んでいることなど、参考になる部分もあると思いますので、是非合わせて読んでいただけると嬉しいです。

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本日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!

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