こんにちは、モリタです。
最近ロボアドバイザーの話題が増えてきました。
ロボアドバイザーは今後の成長分野と期待され、国内でもベンチャー企業を中心に18社ほど参入しています。2015年に既存大手金融機関である、みずほ銀行が参入して話題になりました。
本日は、そもそもロボアドバイザーとは何か、またロボアドバイザーによる資産運用がオススメできるかについて考えていきたいと思います。
ロボアドバイザーとは?
ロボアドバイザーはインターネット上で資産運用の助言と実際の運用を自動的に行うサービスです。
証券会社や投資顧問会社に所属しているプロが行う従来の「フィナンシャルアドバイザー」に対して、ロボットがアルゴリズムで自動的に行うので「ロボアドバイザー」という造語になっています。
最近の金融機関は、株、投資信託、ETFなどの金融資産を売買する際の手数料ではなく、老後を見据えた中長期的な資産運用のアドバイスを行い、そのアドバイス料を報酬として受け取るモデルに転換しています。
#コミッション型からフィー型モデルへの転換
人間が行う従来の方式がフィナンシャルアドバイザーで、だいたい預かり資金の1〜2%を報酬として受け取るのが相場です。
ロボアドバイザーでは、これらをロボットが行うので、利用者は従来よりも低い手数料で利用でき、利用者の窓口も広くなるので、保有資産が少なくても気軽にサービスを受けられます。
よく「ロボアドバイザー=AI投資」という間違いをしている人が多いですが、現状は各社の独自アルゴリズムによってポートフォリオを自動生成・構築するだけのサービスなので、AIという定義には当てはまりません。
この辺は、後述する診断によるポートフォリオの自動生成・構築をやってみるとわかります。
ただ、AIによるロボアドバイザーサービスは、アメリカで一部で登場していますので、今後日本に広まる可能性は十分にあります。
ロボアドバイザーの仕組み
ロボアドバイザーサービスの利用者は、「年齢」、「年収」、「投資目的」などの簡単な診断に回答してリスク許容度を算出し、それらの情報から各社のアルゴリズムがポートフォリオを自動生成し、それに従って実際に投資までしてもらいます。
#一部アドバイスのみで実際の投資までは行わないサービスもある
下記が国内最大手の一つであるウェルスナビで診断の際に回答する質問事項です。
ウェルスナビ質問事項
- 現在何歳ですか?
- 年収はおおよそいくらですか?
- 金融資産はおおよそいくらですか?
- 毎月の積立額は?
- 資産運用の目的は?
- 株価が1ヶ月で暴落したら?
質問はたったこれだけです。これだけでリスク許容度を算出して、ポートフォリオを自動で生成・構築します。
例えば、私がウェルスナビで診断されたリスク許容度は4/5(5段階のうち、4番目にハイリスク)で、下記のような内訳になりました。
米国株(VTI)が最大で、続いて、日欧株(VEA)、新興国株(VWO)、米国債券(AGG)、金(GLD)、不動産(IYR)などに分散されています。
2017年の11月に初めて、今日の時点で若干の赤字が出ていますが、中長期投資なので今時点の成績はそれほど意識していません。
#運用実績と考察については、別ページでまとめたいと思います
内容としては、それほど悪くないポートフォリオだと思います。
リスク許容度が低くなれば、元本保証の債券(AGG)や、物価連動債(TIP)の割合が大きくなります。
下記はリスク許容度1/5(5段階で最もローリスク)のポートフォリオです。
これらの診断は大抵どのサービスでも無料で利用できますので、まずはそちらでやってみるとイメージがしやすいです。
アメリカのロボアドバイザーとの手数料の比較
ロボアドバイザーの特徴として、プロのフィナンシャルサービスを受けるよりも手数料が安価という点があると先ほど述べました。
アメリカではフィナンシャルサービスの手数料の相場1〜2%に対して、ロボアドバイザーは0.15〜0.5%と非常に低水準となっています。
しかし、日本では現状手数料の相場はだいたい1%なので、それほど安いとは言えません。
資産運用において、(運用資金が多い場合は特に)手数料がネックとなりますので、今後の改善に期待したい部分です。
ロボアドバイザーのアドバイスは適正なのか?
ここで冷静に考えてみたいのですが、ロボアドバイザーのアドバイスは本当に適正なのでしょうか?
ロボアドバイザー参入企業は、リーマンショック以降に設立されたベンチャー企業が中心です。
最近はみずほ銀行のSMART FOLIO等、既存大手金融機関も参入してきていますが、多くのベンチャー企業は、マーケットが順調に成長している相場しか経験していません。
リーマンショックのようなイベントが起きた時に、適切なアドバイスがされるかという点は今のところ未知数です。
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また、投資対象の透明性についても注目すべきです。
この辺は従来のフィナンシャルアドバイザーによるサービスで生じている問題でもありますが、アドバイス内容が彼らにとって都合のいい方へバイアスがかかってしまう可能性があるということです。
アドバイス内容がブラックボックス化されてしまえば、知らぬ間にサービス提供会社にとって都合のいい商品を掴まされていたという展開もありえます。
ただ、アメリカのロボアドバイザー大手ウェルスフロントは、自社アルゴリズムを公開していますので、これらが適正が誰でも検証することができます。
若い世代は特にそうですが、既存金融機関をあまり信頼していない人が増えていますので、投資アルゴリズムの透明性というのはとても大切なことです。
ロボアドバイザーのターゲットユーザは投資未経験の若者
リーマンショックや金融危機で財産を失った親、大手金融機関のリテール営業が行うコミッション型モデルの詐欺的な高額手数料、日本特有の投資に対するネガティブな印象などが相まって、若い世代は既存金融機関を嫌う人が多いです。
従来のフィナンシャルアドバイザーを問答無用に利用したくない!!といった意見です。
当然、プロのフィナンシャルアドバイザー側からしても、金融資産の少ない若者を相手にするメリットは少ないです。
フルサービスの資産運用会社の平均的な預かり資産額は1億円程度です。
最低でも2,500万円程度であるのに対し、ロボアドバイザーは10万円程度の低額の資産から始めることができます。
【最低預かり金と手数料】
サービス | 最低預かり資産 | 年間手数料 |
Wealth Navi
(ウェルスナビ) |
10万円 | 1.0%
※3000万円を超える部分は0.5% |
THEO
(お金のデザイン) |
1万円 | 1.0%
※3000万円を超える部分は0.5% |
エイトナウ
(エイト証券) |
1万円 | 0.88% |
SMART FOLIO
(みずほ銀行) #アドバイスのみ |
2.5万円 | 約0.6% |
若い世代はフィナンシャルアドバイザーによる対面式の資産運用アドバイスを受けるよりも、スマートフォンやPCでわかりやすいユーザインターフェースをポチポチして、簡単に口座開設でき、手数料の安価なロボアドバイザーで十分です。
まとめ:ロボアドバイザーに対する私の所感
最後に私の意見を書いておきたいと思います。
結論を先に言うと、ロボアドバイザーは投資経験のない若い人が一度使ってみるのはいいと思いますが、現状は手数料が高すぎるので高額を預けるのはオススメできない、といったところです。
信託手数料の安いインデックスファンドやETFを、NISAで買ったり、積み立てたりするほうが費用効率は上だと思っています。
また、ロボアドバイザーの最近の成績を掲載してやたら推奨しているブログも散見されますが、彼らの投資期間はせいぜい1〜2年程度で、マーケットが順調に成長している相場しか経験していません。
中長期投資を検討するときに、2017年の相場において何パーセント資産が増えたとか、あまり参考にならない情報です。
リーマンショックや金融危機のようなイベントを経験していない以上、手放しに高額を預けるのはやはりオススメできない。
ロボアドバイザーは、投資未経験の20〜40歳台の方で、自分自身で証券会社に口座開設したり、投資対象を検討してポートフォリオを組んだり、購入する際や再投資する際の手間を省きたいといった方向けではないでしょうか。それらの手間を考えると、確かに手数料は安いといえます。
ロボアドバイザーは今後の成長分野ですし、とりあえず軽い気持ちで余剰資金を使って初めてみるのはいいと思います。
銀行口座に貯金を眠らせているよりは有益ですし、預けた資産はいつでも気軽に払い戻しができるので急に資金が必要になるときも安心です。
私も軽い気持ちで実験のために少額をウェルスナビで投資しています。
ロボアドバイザーはこれから成長していく市場であることは間違いありませんので、手数料の改善やアルゴリズムの習熟に期待したいと思います。
お試し程度に少額で続けて、たまに成績をアップしていきたいと思います。
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