こんにちは、モリタです。
私が読んだ書籍や漫画、鑑賞した映画・DVDなど
今回は『一人の力で日経平均を動かせる伝説の男』の書評の超個人的な書評です。
投資の参考になる度 | 3 |
エンタメ度 | 4 |
cis氏の伝説度 | 5 |
アウトロー度 | 2 |
総合 | 4 |
評価は★×5段階で”超個人的意見”です。
一人の力で日経平均を動かせる伝説の男「cis」とは
本書は著名な個人投資家cis(しす)氏の著書です。
共著では『億万長者トレーダーが薦める 名作・傑作!投資本30』がありますが、cis氏単独の書籍は『一人の力で日経平均を動かせる伝説の男』が初めてです。(『億万長者トレーダーが薦める 名作・傑作!投資本30』ではcis自身が好きな漫画『銀と金』を薦める内容のようです)
『億万長者トレーダーが薦める 名作・傑作!投資本30』の主な内容は、cis氏の投資や勝負事に対する哲学・思考法といったものと、cis氏本人公式の自伝という内容からなります。
cis氏ファンブックみたいな出来になっているので、2チャンネルなどでcis氏に興味がある人ならより楽しめると思います。
ちなみに、cisという名前は、彼がゲーマー時代に使っていたネームに由来しているそうです。
意味は「俺と戦う奴は全員“死す”」
cis氏の伝説(自伝)まとめ
cis氏の自伝はとにかくぶっ飛んでいて面白いです。
ゲーマーやギャンブラーも探究心をここまで高めると投資の世界でも最強なんですね。
【cis氏の伝説】
- ・小学校のとき駄菓子屋のくじを買い占めそこから当たりの法則を見つけて友達に売っていた
- ・高校時代からパチンコを始め大学時代は打ち子を雇って2000万円稼いだ
- ・ネット掲示板に資産を晒し容姿に自身のある女性を募集した(今の妻とここで出会った)
- ・ジェイコム誤発注事件で6億円稼いだ
- ・2018年は日経先物のショートで一撃19億円稼いだ
- ・現在の資産は230億円
- ・オンラインゲームに9000万円の課金をしている
cis氏は生粋のゲーマー&ギャンブラーで投資も遊び感覚
cis氏は小学生の時からゲーム好きで生粋のギャンブラーです。
パチンコ、麻雀、オンラインゲームなどあらゆるギャンブルやゲームをやっていて、どれも他者を寄せ付けない成績・能力を発揮しています。
ゲームで勝つためにあらゆる努力をしているだけでなく、他人の話も良く聞いて、数字上合理的だと感じたらすぐ採用するなど柔軟性を持っています。
常勝の中でも他人の話をよく聞いて研究しているので奢ることなく勝ち続けるタイプです。(強い…)
cis氏の生粋のゲーマーでギャンブラーである性格が投資の世界でも生きています。
そんなcis氏も投資を始めた最初の頃は負け続けていたようで、 1,000万円以上損して親に株券まで借りています。
ところが2ちゃんねるのオフ会で勝ち方を教わり勝てるようになってきました。
それまでは会社のことをよく調べファンダメンタルズを基本に割安株を購入していましたが、短期のチャートの値動きを見て売買するように。
そして損切りも素早く行うようになりました。
彼はここから大進撃して行きます。
その後株投資で大金を稼ぎ、現在の総資産は230億円もあるそうです。(すごい…)
この本のタイトルにもなっている「一人の力で日経平均を動かせる」という言葉の文字通り、それが可能なほどに財産を築き上げました。
たしかにファンダが良くても下がる株は一杯ありますし、ファンダが良いからと損切りが遅れて大損することもよくありますね。勉強になります。
cis氏の順張りを基本とした投資哲学
本を読んでいるとわかりますが、cis氏の投資哲学は順張りを基本とした非常にシンプルなものです。
ただ身銭を切る投資の世界で、このシンプルな原則を守ることは難しいです。
cis氏のすごいところは常に自分を客観視しており、これらを簡単にやってのけてしまうところです。
【cis氏の投資哲学】
- 株は目先の何勝何負ではなくトータルで勝つことを考える
- 株でいちばん大切なのは迅速な損切り
- 失敗から逃げてはダメ。失敗は当然で、いかに最小にとどめるかを意識する
- 素早く行動することを心がける
- 人々が恐怖を感じている時こそがチャンスになる
- いつも仮説とアイデアを持って検証する
本書の中で、「上がっている株を買う。下がっている株は買わない。売られていることで下がっているというのは明確な事実としてそこにある。であればマーケットの潮目に沿って行動するのがいちばん勝つ可能性が高い」
と、上昇してる株に順張りで乗り、逆張り、押し目買い、反転狙いなどはできるだけやらないと書いています。
ちなみにcis氏は順張りで成功しましたが、逆張りの成功者もいます。
だから逆張りが愚かだなんてことはなく、実際cis氏も逆張りをしているストーリーが著書中に出てきます。
まとめ:本書を読んでも投資で勝てるようにはならない
この本の中でcis氏も述べていますが、「本を読んで投資で勝てるようになる」などということを期待してはいけません。
あくまでこの本はcis氏の投資哲学や自伝が中心の内容であり、具体的な投資のノウハウもありますが全体的に見ると少ないです。
cis氏の言葉を借りれば、そもそもみんなが知れる有益な情報なんてありませんし、マスコミに登場する経済アナリストの言葉すら一ミリも信用はできません。
この本を読んでもなお、「具体的ですぐに役立つ投資スキルという幻想」をまだ求めているのなら、それは「目先の利益に振り回されるから負けるのだ」という、本書からの教訓を得ることができます。
投資におけるノウハウを学ぶのではなく、cis氏の自伝として楽しみましょう。